工場セキュリティを安全に保つのは非常に大変です。何しろ出入り口をどんなに厳重にしていても、出入りする人や物品は一日に何度もあるからで、例えば昼休みに外出を禁止するのは難しいでしょう。休憩室の棟が別だった場合や、トイレなども都度出て行かなければならない場合、工場セキュリティを保つ困難さはさらに上がります。機密情報でいうとアルバイトやパートにスマートフォンを持ったまま作業させるのはまず禁止ですが、休憩所に持ち込み禁止とするのは不可能です。

お昼休みはまだ分かりやすいですが、3時にも短めの休憩があった場合にバタバタして出入りし、間違えて作業場に持ち込んでしまったというトラブルは起こりがちでしょう。セキュリティゲートで判別するにしても、金属を感知する事は出来ますが、なかなか細かいものまでチェック出来ません。まず従業員の意識として、異物を持ち込んでは工場セキュリティ上問題がある事、そしてそれを黙っていて何かがあった時の責任が大変である事を周知します。これだけを徹底しておけば、誤って持ち込んでしまった場合にも素直に上司に言いにくる人が多くなるのではないでしょうか。

従業員以外にも注意が必要なのは、資材を運んで来るトラックなどの社外の人たちです。中にいる従業員にはICカードなどを持たせる事でセキュリティを保てますが、外部の人にそれを持たせるわけにもいかないため、都度確認して入ってもらう事になるからです。